当サイトの記事は編集部が日本郵便などの公式情報や読者の声を調べて独自に執筆しています。郵便料金・発売日・販売状況は日本郵便の最新の発表で確認してください。本ページにはプロモーションが含まれます。
家族が昔集めていた記念切手を眺めていると、『これはいつ頃の切手なんだろう』と気になってきますよね。古い切手ほど、その時代の空気が伝わってくるものです。
結論から言うと、記念切手の歴史は明治27年の第1号から始まり、時代ごとに「何を記念するか」が少しずつ変わってきました。流れを知っておくと、手元の切手がどの時代のものか見当をつけやすくなります。
ここでは記念切手の歴史を時代ごとの年表で見ながら、昭和の切手が今どう扱われているかまでお話しします。
記念切手の歴史をひと目で見る年表
日本の郵便は1871年に始まり、最初の記念切手は1894年に出ました。そこから皇室の行事、郵便の節目、大きな大会、季節の行事と、記念するものの幅が広がってきました。
まずは全体の流れを、ざっくりつかんでおきましょう。細かい切手の名前は後のセクションで紹介します。
| 時代 | 主なできごと | 記念したもの |
|---|---|---|
| 明治 | 1871年に郵便創業・竜切手を発行。1894年に最初の記念切手 | 皇室の行事 |
| 大正〜戦前の昭和 | 記念切手の発行が少しずつ増える。1936年に国立公園の切手 | 皇室・郵便の節目・名所 |
| 戦後すぐ | 1947年に切手趣味の週間。1948年に「見返り美人」 | 切手の趣味・郵便の節目 |
| 昭和30〜50年代 | 新幹線や大会、郵便創業100年などの記念切手 | 交通・大会・郵便の節目 |
| 平成 | 長野オリンピック、20世紀デザイン切手、郵政公社や民営会社の発足 | 大会・シリーズ・郵政の節目 |
| 令和 | 御即位記念、郵便創業150年、キャラクターのグリーティング切手 | 皇室・郵便の節目・季節のあいさつ |

『こうして見ると、ずいぶん長い歴史があるんだな』と感じた方もいるはずです。ここからは、それぞれの時代をもう少し詳しく見ていきます。
明治から戦前まで 記念切手の始まり
日本郵政の沿革によると、1894年(明治27年)に最初の記念切手「明治天皇大婚25年記念」の2種類が出ました。
記念切手の前に、まず郵便そのものの始まりを押さえておきます。日本の郵便は、明治4年(1871年)に前島密の建議で創業し、同じ1871年4月20日に最初の切手「竜切手」が発行されました。
それから20年あまりたった1894年に、最初の記念切手が登場します。菊の紋章と鶴が描かれた、当時の普通切手より大きな切手だったと紹介されることが多いです。
発行のきっかけは、日本に住む外国人の新聞への投書だったとされています。急いで発行が決まり、原版をわずか数日で仕上げたという話も伝わっています。
『最初の記念切手は、じっくり準備して作られたものだと思っていた』という方には、少し意外な話かもしれませんね。
明治・大正の記念切手はとても少なかった
意外かもしれませんが、戦前の記念切手はそれほど多くありません。日本郵政の社史によると、発行回数は次のとおりです。
| 時代 | 発行回数 | 種類の数 |
|---|---|---|
| 明治時代全体 | 5回 | 10種 |
| 大正時代 | 10回 | 31種 |
| 昭和の終戦まで | 19回 | 54種 |
今のように毎月のように新しい記念切手が出る時代とは、ずいぶん違いますよね。
郵便の節目と名所を描く切手が出てくる
昭和に入ると、郵便の節目や名所を題材にした切手も出てきます。1927年には万国郵便連合への加盟50年を記念した切手が出たとされています。
1936年(昭和11年)には、富士箱根国立公園の4種が出ました。国立公園の切手は、その後も戦後まで続くシリーズになります。
また、1934年には郵便事業の創業日である4月20日が「逓信記念日」と定められました。この日は、後に郵政記念日と呼ばれるようになります。
国立公園の切手は戦後にも続いた
国立公園の切手は、戦後にもあらためてシリーズとして出ています。戦後の最初のシリーズは、1949年7月15日の富士箱根国立公園から始まったとされています。
1962年1月16日の富士箱根伊豆からは、次のシリーズが始まりました。最後は1974年3月15日の西表だったと紹介されることが多いです。
『家のアルバムに、山や海の景色の切手がたくさんある』という方は、この国立公園のシリーズかもしれません。図案の楽しみ方は国立公園の記念切手で紹介しています。
戦後すぐ 切手趣味週間と記念切手の発行ラッシュ
戦後すぐの1947年から1949年にかけて、記念切手が多く出されました。その中で生まれたのが、今も有名な「見返り美人」です。
1947年(昭和22年)、逓信省は切手の美しさや芸術性を広く知ってもらい、切手収集の趣味を広めるために「切手趣味の週間」を設けました。これが、今も続く切手趣味週間の始まりです。
翌1948年には、菱川師宣の「見返り美人図」を図案にした切手が出て、大評判になりました。日本郵便は、この切手が海外の切手にも影響を与えたと言われていると紹介しています。
1949年には、歌川広重の「月に雁」を図案にした切手も出たとされています。見返り美人と月に雁は、どちらも日本の切手の中でとても大きなサイズとして知られています。
「乱発しすぎ」と言われて基準ができた
実はこの頃、記念切手はかなりのペースで出されていました。日本郵政の社史によると、1947〜1949年は増収と切手収集の普及を名目に、1年で10回(15種)から24回(32種)も発行されています。
これには「乱発にすぎる」という声が上がりました。そこで1950年からは発行の基準が厳しくなり、年間20種以内とされています。
『昔の記念切手は数が少ないから貴重』というイメージを持つ方もいますよね。ただ、時代によっては、たくさん出された時期もあったんです。
「おじいちゃんの切手、戦後すぐのものが多いね」
「その頃はたくさん出た時期みたい。1枚ずつ名前を確かめてから考えよう」
こんなふうに、時代の背景を知っておくだけでも、家族で話す時の手がかりになります。
1950年4月20日には「郵政記念日制定記念」の切手が出ています。1949年の逓信省の分割を受けて、逓信記念日が郵政記念日に改められたことを記念したものです。
切手趣味週間のこれまでの図案は、切手趣味週間の記念切手で詳しく紹介しています。
例えばこんな場面
実家の片付けで、着物姿の女性が振り返る絵の切手が出てきた場面を考えてみます。
「この絵、どこかで見たことがある気がする」
「切手趣味週間の見返り美人かもしれないね。名前と年を発行一覧で調べてみよう」
見返り美人は1991年の切手趣味週間でもふたたび図案に選ばれているので、似た絵柄でも年代が違うことがあります。シートの余白や料額も合わせて見ておきましょう。
昭和30〜50年代 交通・大会・郵便の節目を記念
昭和30年代以降は、新幹線の開通や大きなスポーツ大会、郵便創業100年など、社会の大きなできごとが記念切手になりました。
この時代の切手は、家に残っていることが多いですよね。『子どもの頃に集めていた』という方も少なくないはずです。
| 発行年 | 切手 | 記念したもの |
|---|---|---|
| 1964年 | 東海道新幹線開通記念 | 交通 |
| 1964年 | オリンピック東京大会記念 | 大会 |
| 1966年 | 国立劇場開場記念 | 文化施設 |
| 1971年 | 郵便創業100年記念 | 郵便の節目 |
| 1972年 | 札幌オリンピック冬季大会記念 | 大会 |
| 1979年 | ふみの日にちなむ特殊切手 | 手紙の行事 |
毎年の行事に合わせた切手が定着する
この時代には、毎年決まった時期に出る切手も定着していきます。1958年からは、国際文通週間にちなむ切手が毎年出るようになりました。
切手趣味週間も、1958年以降は郵政記念日の4月20日を含む週に行われるようになります。さらに1979年には、7月23日に「ふみの日」にちなむ特殊切手が出て、今も毎年続いています。
東京で開かれた万国郵便大会議
1969年10月1日から11月14日までの45日間、東京で第16回万国郵便大会議が開かれました。アジアで初めての大会議で、連合の歴史で最大の規模だったと日本郵政の社史に書かれています。
この大会議に合わせて、浮世絵などを図案にした4種の記念切手が出たと紹介されています。郵便の国際的なつながりも、記念切手の大事なテーマなんです。
1966年から「NIPPON」の文字が入った
古い切手を見ていて、「NIPPON」の文字があるものと無いものがあることに気づいた方もいるかもしれません。
1966年1月に発効した万国郵便条約で国名のローマ字表示が求められ、同じ年から日本の切手に「NIPPON」の表示が加わりました。手元の切手の年代を見分ける時の、ちょっとした手がかりになります。
- 「NIPPON」の文字があれば1966年以降の可能性が高い
- 料額が15円なら、1966年7月から1972年1月までの封書料金の時期と重なる
- 料額が20円なら、1972年2月以降の封書料金の時期と重なる
- 行事や大会の名前が入っていれば、発行一覧で年を探せる
郵便創業100年記念は小学生の絵が図案
1971年4月20日に出た「郵便創業100年記念」は、15円切手の3種類です。全国の小学生から郵便をテーマにした絵を募集し、郵政大臣賞の3点が図案に使われました。
図案はポスト、郵便配達、鉄道郵便の3つで、発行数量は各3,050万枚です。くわしくは郵便創業100年記念切手で紹介しています。
昭和の記念切手は今どう扱われている?
昭和の記念切手には、発行数が多いものもあります。買取では額面より低い価格になることが多いと言われ、昭和の切手もその例外ではありません。
『昭和の切手だから、きっと値上がりしているはず』と期待したくなりますよね。ただ、ここが大事なところです。
切手の値段は、発行枚数と希少性で決まるとされています。1971年の郵便創業100年記念が各3,050万枚だったように、昭和の記念切手には数千万枚単位で出たものもあります。
数が多い切手は、買取では額面以下でしか取引されないことも少なくないと言われます。反対に、発行枚数が少ない切手には希少価値がつくことがあります。
歴史の流れと今の値段のつながり
年表と合わせて見ると、今の扱われ方の違いが見えてきます。
| 時代 | 発行の特徴 | 今の扱われ方の目安 |
|---|---|---|
| 明治〜戦前 | 発行回数が少ない | 数が少ない切手は希少価値がつくことがある |
| 戦後すぐ | 一時期に多く出された。見返り美人などの有名な切手もある | 切手によって大きく違うので、1枚ずつ確かめたい |
| 昭和30〜50年代 | 数千万枚単位で出た切手もある | 額面より低くなることが多いと言われる |
| 平成以降 | 日本郵便の発表で発行枚数を確かめやすい | 郵便に使う選択肢も考えやすい |
ただ、これはあくまで目安です。同じ時代の切手でも、種類や状態、シートかバラかで値段は変わります。
家に古い切手がたくさんある時は、まず時代ごとに分けてみると、調べる手間がぐっと減ります。
- 「銭」「厘」の料額と「円」の料額で大きく分ける
- 円の切手を「NIPPON」の文字があるかどうかで分ける
- 料額の数字(15円・20円・50円・60円など)ごとにまとめる
- 名前の分かる切手から発行一覧で年を確かめる
昭和の切手は今も郵便に使える
値段がつきにくい切手でも、郵便に使えば料額の分として使えます。日本郵便の案内では、切手には有効期限の定めがありません。
ただし、昭和40年代の15円や20円の切手を今の定形郵便物(110円)に使うなら、何枚も組み合わせる必要があります。使い方のコツは昭和40年代の記念切手の値段で紹介しています。
家に昭和の記念切手がまとまってあるなら、無料の査定で今の値段を確かめてから、使うか売るかを決める方法もあります。
切手買取のバイセル
使わない記念切手、今いくらになるか確かめてみませんか
切手シートやバラ切手がまとまってあるなら、切手の買取専門店の無料査定で今の値段を確かめる方法があります。売るかどうかは査定額を見てから決められます。
無料切手の無料査定を申し込む(買取サービスの公式サイトに移動します)
平成から令和へ 郵政の節目とキャラクターの時代
平成以降は、郵政公社や民営会社の発足など郵政の節目の切手に加え、シリーズ切手やキャラクターのグリーティング切手が増えていきます。
平成に入ると、大会やシリーズの切手がさらに広がります。1997年には長野オリンピックの寄附金付切手、1998年には記念切手が出ました。
1999年から2000年にかけては、日本の20世紀を時代順に描いた「20世紀デザイン切手シリーズ」の全17集が、原則毎月のふみの日に出ています。
郵政の節目を記念した切手
平成は、郵便を運ぶ組織が大きく変わった時代でもありました。その節目も記念切手になっています。
| 発行日 | 切手 | ポイント |
|---|---|---|
| 2003年4月1日 | 日本郵政公社設立記念 | 80円切手の10種連刷。酒井抱一の花鳥図から10種 |
| 2007年10月1日 | 民営会社発足記念 | 「琳派」と「郵政史」の2シート。各80円10枚 |
| 2021年4月20日 | 切手趣味週間・郵便創業150年 | 84円切手。1シート840円 |
| 2024年10月9日 | 万国郵便連合(UPU)創設150周年 | 110円切手(シール式)。1シート1,100円 |
2021年8月25日には「日本国際切手展2021 郵便創業150年切手帳」も出て、見返り美人と月に雁がふたたび題材になりました。世界初の和紙切手シートが使われたことでも話題になっています。
万国郵便連合に関わる切手の流れは、万国郵便連合の記念切手でまとめています。
令和の記念切手は「使って楽しむ」方向へ
平成の終わりの2019年2月に「天皇陛下御即位三十年記念」、令和に入った2019年10月に「天皇陛下御即位記念」が出ました。オリンピックの切手も、東京2020に合わせて何回かに分けて出ています。
また、ポケモンやムーミン、ドラえもんなどのキャラクターのグリーティング切手も、シール式で次々に出ています。手紙に貼って楽しめる切手が増えたのも、最近の流れです。
2024年10月の郵便料金の改定も、記念切手の料額に影響しています。グリーティング切手は2019年10月以降63円・84円が中心でしたが、2024年10月発行分から110円のものが出ています。
『家にある84円の記念切手は、もう古いの?』と思うかもしれません。今の料金に足りない分を足せば使えるので、料金改定の前の切手も手紙に生かせます。

記念切手の歴史についてよくある相談
記念切手の歴史について多いのは、切手の背景を調べられる場所を知りたい、昔集めた切手に値打ちはあるのか、という相談です。
記念切手の図柄や背景を詳しく調べられる所は?
切手の図柄の説明や、発行された時の背景が詳しく載っている所を知りたい、という相談です。
まずは日本郵便の「切手発行一覧」を見てみてください。発行年度や名称で探せて、最近の切手なら図案の説明も確かめられます。
郵便の歴史と切手の関係なら、日本郵政の「切手に映る歩み」や郵政博物館の資料も参考になります。古い切手の背景を知ると、集める楽しみも増えますよ。
亡くなった祖父が集めた切手が数千枚ある
亡くなった祖父が切手収集を趣味にしていて、家に数千枚以上の切手がある。どうしたらいいか、という相談もあります。
『捨てるのはもったいないけど、自分では価値が分からない』と迷いますよね。まずは家族で、使うか売るか残すかを相談してみましょう。
量が多いなら、年代ごとに大まかに分けておくと話が進めやすくなります。売る方向なら、アルバムのまま査定に出す方法もあります。
昔集めた記念切手は値打ちが無くなった?
子どもの頃に記念切手を集めていたけれど、今は値打ちが無くなってしまったのか、という相談です。
結論から言うと、売る時の値段は額面より低くなることが多いと言われます。ただ、切手には有効期限がないので、郵便に使えば料額の分はそのまま使えます。
「売る」と「使う」の両方から考えると、昔の切手の行き先も決めやすくなります。
よくある質問
日本で最初の記念切手は何ですか?
日本郵政の沿革によると、1894年(明治27年)に出た「明治天皇大婚25年記念」の2種類が最初の記念切手です。
日本で最初の切手は何ですか?
1871年4月20日に発行された「竜切手」です。同じ年に、前島密の建議で郵便事業が始まりました。
切手趣味週間はいつから始まりましたか?
1947年(昭和22年)に逓信省が設けた「切手趣味の週間」が始まりです。翌1948年には「見返り美人」を図案にした切手が出ました。
「NIPPON」の文字が無い切手は古い切手ですか?
1966年に発効した万国郵便条約を受けて、同じ年から日本の切手に「NIPPON」の表示が加わりました。文字が無い切手は、それより前に出た可能性が高いと考えられます。
昭和の記念切手は今も使えますか?
使えます。日本郵便の案内では切手に有効期限の定めはなく、今の料金に足りない分は切手を足して使います。汚れたり破れたりした切手は使えません。
まとめ
- 日本の郵便は1871年に始まり、最初の記念切手は1894年に出た
- 戦前の記念切手は少なく、戦後すぐに発行が一気に増えた
- 1950年からは年間20種以内という基準ができた
- 昭和の記念切手には数千万枚単位で出たものもあり、額面より低くなりやすいと言われる
- 記念切手の歴史を知ると、手元の切手の年代や扱い方を考えやすくなる





コメント